「休職することになったけれど、診断書をどうやって会社に渡せばいいのか分からない」
「体調が悪くて会社に行けない。郵送でいいのか、失礼にならないか不安」
休職は計画して取るものではなく、多くの場合は突然です。はじめての休職では、誰でも不安でいっぱいだと思います。
筆者自身も、体調に異変を感じた日に心療内科で診断書をもらい、翌日にはその診断書を会社へ郵送して休職に入りました。その後、休職期間中に合計4回、診断書をすべて郵送で会社に送っています(そのまま復職せず、転職・退職しました)。
この記事では、診断書を会社へ郵送する基本的な流れを最初にまとめ、続いて封筒の選び方・送付手段の違い・添え状の要否と例文・送るタイミングを、公的な情報と実体験の両面から解説します。最後に、休職後に考えるべき3つの選択肢(復職・転職・退職)にも触れます。
結論:診断書は郵送で会社に提出してよい(基本的な流れ)
先に結論です。休職の診断書は、直接持参しなくても郵送で提出するのが一般的です。 体調が優れないときに、無理をして出社する必要はありません。多くの会社は郵送での提出を認めていますが、提出先や必要書類は会社の規定によって異なるため、次の流れの最初に会社へ確認します。
基本的な流れは次の4ステップです。
- 会社(直属の上司または人事)に一報を入れる
電話・メール・チャットなど、いつも連絡している手段で構いません。「体調不良で受診し、医師から休養が必要と言われた。診断書を郵送する」と伝えます。 - 診断書の宛先と送付方法を確認する
会社によって「上司宛」「人事部宛」「総務宛」など提出先が異なります。健康保険の傷病手当金の手続きで別の書類が必要になることもあるため、この一報のときに合わせて聞いておくと後が楽です。 - 封筒に入れて郵送する
A4が折らずに入るサイズの封筒を用意し、宛名と「親展」を書いて送ります(詳しくは後述)。 - 届いたことを確認する
追跡できる方法で送るか、上司に「本日発送しました」と一言連絡しておくと、行き違いを防げます。
診断書の原本かコピーか
原本の提出を求める会社もあります。原本とコピーのどちらが必要かは会社へ確認してください。傷病手当金の申請などで原本が複数必要になる場合は、受診時に医師へ必要枚数を伝えて発行してもらいます(発行手数料は医療機関ごとに異なります)。
封筒の選び方と宛名の書き方
封筒のサイズ
診断書はA4サイズで発行されることが多いため、A4が折らずに入る角形2号(角2)封筒が無難です。二つ折りでも受け付けられることが多いですが、折り目で読み取りにくくなるのを避けたい場合は折らずに送ります。
厳封(医療機関が封筒に入れ、封じ目にのりづけと押印をした状態)で渡された診断書は、開封せずにそのまま封筒に入れます。
宛名の書き方
- 表面:会社の住所、部署名、宛名(「◯◯部 ◯◯様」など、一報で確認した提出先)
- 表面左下に「親展」と書く(宛名本人に開封してほしい旨を示すため)
- 裏面:自分の住所・氏名
同封するもの
- 診断書(厳封のものは開けない)
- 添え状(送付状)※必要かどうかは後述
- 会社から指定された書類があれば同封(休職届など)
普通郵便・簡易書留・レターパックの違い
診断書は医師が作成する証明書であり、郵便法上の信書にあたります(総務省の指針では「証明書の類」や「健康診断結果通知書」などが信書の例に挙げられています)。
信書は、信書を送付できるサービス(郵便物・レターパック・スマートレターなど)を利用して送ります。 ゆうパック・ゆうメール・ゆうパケット・クリックポストや、宅配便のメール便では送れません。次のいずれかを使います。
| 送り方 | 料金の目安 | 追跡 | 補償 | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| 普通郵便(定形・定形外) | 定形は110円〜(2024年10月改定)。定形外は重さ・サイズによる | なし | なし | とにかく早く送りたい/会社と連絡が取れていて到着確認の必要が薄い |
| 簡易書留 | 普通郵便+350円 | あり | 5万円まで | 引受と配達の記録を残したい。補償は5万円まで |
| 一般書留 | 普通郵便+480円 | あり | 10万円まで | 配達経路の記録や10万円までの補償が必要な場合 |
| レターパックライト(青) | 430円 | あり | なし | A4がそのまま入る専用封筒。追跡付きで手軽。厚さ3cm以内・郵便受けに配達 |
| レターパックプラス(赤) | 600円 | あり | なし | 対面で手渡し・受領印/署名あり。確実に人に渡したい場合 |
(出典:日本郵便「信書の送付について」「レターパック」「書留」/総務省「信書のガイドライン」。上記の料金・仕様は2026年9月時点のものです。 改定されることがあるため、送る前に日本郵便の公式ページで最新情報を確認してください。)
必要な「追跡」と「補償」に応じて選びます。 届いた記録を残したいなら簡易書留やレターパック、より手厚い補償が必要なら一般書留、会社と連絡が取れていて急ぐだけなら普通郵便でも送れます。
添え状(送付状)は必要か
必須ではありません。 ただし、ビジネス上のやり取りでは書類だけを送るより一筆添えるのが一般的なため、特別な事情がなければ短い添え状を1枚入れておくと無難です。
- 添え状がなくても問題になりにくいケース:上司や人事とすでに口頭・メールで状況を共有できていて、「診断書を郵送する」ことが伝わっている場合
- 添え状を入れた方がよいケース:連絡が十分に取れていない、提出先が面識のない部署、会社から書式や同封書類を指定されている場合
添え状は「無封(封をしない状態)」で同封します。総務省の指針でも、書類に添える無封の添え状は問題なく同封できるとされています。
添え状の例文(そのまま使えます)
会社の慣行に合わせて調整してください。手書きでもパソコンでも構いません。
令和◯年◯月◯日 株式会社◯◯ ◯◯部 ◯◯様 (自分の部署・氏名) 診断書送付のご連絡 いつもお世話になっております。◯◯部の(氏名)です。 先日ご連絡いたしました体調不良の件につきまして、 医師の診断書を同封のうえお送りいたします。 ご査収のほどよろしくお願いいたします。 なお、今後の連絡は(電話/メール等)にてお願いできますと幸いです。 ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 同封書類:診断書 1通
体調が悪いときは、これ以上丁寧に書こうとしなくて大丈夫です。用件が伝われば十分です。
診断書を郵送するタイミング
- できるだけ早く送ります。休職の開始日は診断書の日付や会社の規定に関わるため、受診したその日〜翌日に発送するのが理想です。
- 筆者は受診の翌日に郵送しました。先に上司へ「今日受診して休養が必要と言われた。診断書を郵送する」と連絡し、その後に発送しています。
- 休職が延長になる場合は、次の診断書も同じように郵送します。筆者は休職期間中に合計4回、この方法で送りました。
すでに診断書が手元にある方は、近くのコンビニなどでレターパックを買って、今日のうちに送ってしまうことをおすすめします。 郵送してしまえば「ひとまず会社から離れられた」という気持ちになり、体力的にも気持ちの面でも少し楽になります。
実際に筆者が診断書を郵送したときの話
筆者が休職したのは社会人2年目(新卒入社から約1年半)のときです。当時は月の残業時間が80時間ほどで(45時間を超えるぶんはサービス残業として扱われていました)、職場に指導してくれる人もおらず、難しい仕事を一人で抱えていました。上司のミスの責任まで背負わされ、自分のチームだけでなく関連部署の問題まで一人で対応する状態が続き、周囲に相談しても改善されませんでした。
そんな日々を3ヶ月ほど続けたあと、少しずつ体調がおかしくなっていきました。動悸と息切れが止まらず、土日もまともに休めません。そしてある週明けの月曜日、体調がさらに悪化して、とうとう会社を休みました。
まず内科に行くと「精神的なストレスが原因なので心療内科へ」と言われ、心療内科で適応障害と診断されて、1ヶ月分の診断書をもらいました。
その足で上司にメールを送り、休職したい旨を伝えました。上司は引き止めることもなく淡々と受け答えをしてくれて、これが本当に助かりました。診断書の提出方法を確認すると、手渡しでも郵送でもよいと教えてもらえました。
当時、家は職場から徒歩圏内でしたが、会社の人には会いたくなかったので、郵送で送りたいと上司に伝えて了承をもらいました。提出先も役員などではなく直属の上司(席が近い部長)だったので、レターパックライト(青)に、厳封された診断書をそのまま入れて送っただけです。当時は「添え状」という言葉自体を知らず、添え状は入れていませんでした。翌日に上司から「受け取りました」と連絡が入り、そのまま休職期間に移りました。
休職の延長のたびに同じ方法で、合計4回郵送しています。診断書は会社経由で提出し、発行手数料は1通あたり3,000円ほどでした。傷病手当金の申請は会社が代行してくれたため、筆者自身は細かい手続きをしていません(この点は会社によって異なります)。
休職に入って最初の2週間は、外出もできず何もできませんでした。その後の2週間ほどで少しずつ回復し、海外ドラマを見たり買い物に行ったりして過ごしました。とにかく「仕事のことを思い出さないようにする」ことだけを意識していました。体調が戻ってきてから転職活動を始め、2017年10月末に退職、翌11月から次の会社で働き始めました(1社目には復職していません)。
20代のキャリアの全体像はこちらのnoteにまとめています。休職に入るまでの受診や休職中の過ごし方は休職中の過ごし方(実体験)に詳しく書いています。
休職後に考えるべき3つの選択肢
診断書を送ってしまえば、あとはしっかり休むことが最優先です。そのうえで、体調が戻ってきたら、次の3つの選択肢を落ち着いて考えることになります。どれが正解かは人によって違います。「こういう考え方があるんだな」という程度に読んでください。
選択肢①:復職する
元の職場に戻る選択です。休職の原因が一時的なもの(繁忙期・特定のプロジェクトなど)で、環境の改善が見込めるなら現実的です。
- 復帰がまだ難しい場合は、新しい診断書をもらって同じように郵送し、休職を延長します。
- 少しずつ働けそうになってきたら、上司と密に連絡を取り、復職の準備を進めます。
- いきなりフルタイムに戻るのが不安なら時短勤務を申請します。多くの人はフルタイムではなく、時短で少しずつ体を慣らしていきます。
休職中に大きな手続きが発生しない分、負担の少ない選択肢です。
選択肢②:転職する
休職の原因が職場環境そのものにある場合、環境を変える選択です。筆者はこの選択をしました。
- メリット:会社から完全に離れられ、心理的な負担を大きく減らせます。
- デメリット:休職中に転職活動をすることになるため、回復を遅らせる恐れがあります。転職後は時短ではなくフルタイムで働くことが多い点も考慮します。
会社そのものに嫌気がさしているなら、復職しても結局いつかは転職することになりがちなので、このタイミングで動いてしまうのも一つの考え方です。ただし、休職後すぐに活動を始めるのではなく、きちんと休んで回復してから始めてください。転職活動もそれなりにストレスがかかるため、辛い状況を長引かせないためです。
筆者が休職中に行った転職活動や、エージェント選びについてはこちらにまとめています。
- 休職を隠して転職する際の注意点(休職中に活動した実例)
- 休職経験者はITエンジニアの転職市場で不利なのか
- 面接で休職経験を聞かれたときの答え方
- 休職からの転職で「やってよかった」こと10選
- 休職からの転職で年収が下がった話(実体験)
- 休職後は「リモートワーク可」の会社を狙う
- 第二新卒向け:実際に利用して良かった転職サイトと転職エージェント
- 20代向け:実際に利用して良かった転職サイトと転職エージェント
選択肢③:退職する
復職も転職活動も難しいほど消耗している場合、まず退職して回復を優先する選択もあります。
- 傷病手当金は、支給を開始した日から通算して1年6か月が上限です(2022年1月の改正で「通算」に変更。全国健康保険協会)。会社が定める休職できる期間とは別なので、両方を確認しておきます。
- 退職後は、条件を満たせば雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)を受けられる場合があります。金額は離職前の賃金や年齢によって決まるため、詳しくはハローワークで確認してください。
- 明らかにブラックな環境や、福利厚生が整っていない会社であれば、無理に休職を続けず早めに退職する判断もあります。
- 退職の意思を自分で伝えるのが難しいときは、退職代行サービスという方法もあります。
よくある質問
Q. 添え状なしで送っても大丈夫ですか?
A. 添え状は必須ではありません。上司や人事と連絡が取れていて「診断書を郵送する」ことが伝わっていれば、実務上は問題になりにくいです。ただし、丁寧さを示すために短い添え状を1枚入れておくと無難です。
Q. 普通郵便で送ってもいいですか?
A. 診断書は信書なので、普通郵便(定形・定形外)で送れます。ただし追跡も補償もないため、確実に届いた記録を残したい場合は簡易書留やレターパックライトが安心です。ゆうパックやメール便では送れません。
Q. レターパックで診断書を送れますか?
A. 送れます。レターパック(ライト・プラス)は信書を送れるサービスです(日本郵便の案内による)。A4がそのまま入り、追跡もつくため使いやすい方法です。
Q. 厳封された診断書は開けてもいいですか?
A. 封じ目にのりづけと押印がされた「厳封」の診断書は、開けずにそのまま提出します。開封すると、提出先の運用によっては受け取りを断られたり、再発行を求められたりすることがあります。封がされていない診断書は、そのまま封筒に入れて問題ありません。
Q. 会社に行かずに休職に入れますか?
A. 会社の就業規則や休職の手続きによります。まずは上司または人事に連絡し、休職の申請方法・必要書類・診断書の提出先を確認してください。多くの場合は、その確認のあとに診断書を郵送すれば手続きを進められます。
Q. 診断書の費用はいくらですか?
A. 医療機関によって異なります(金額は受診先にご確認ください)。筆者の場合は1通あたり3,000円ほどでした。傷病手当金の申請などで複数枚必要な場合は、受診時にまとめて依頼すると再受診の手間が省けます。
Q. 傷病手当金の手続きは自分でやりますか?
A. 会社が代行してくれる場合もあります(筆者のケースがそうでした)。まずは会社の人事に「傷病手当金の申請はどう進めればよいか」を確認します。健康保険組合や協会けんぽの申請書には医師の記入欄がある点にも注意します。
Q. 診断書がもらえないと言われたら?
A. 医師の判断で発行されないこともあります。対応を解説した記事があります → 診断書がもらえない場合の対処
さいごに:辛いときは、会社に提出方法を確認して診断書を送り、まず休むことを優先しよう
休職に入るときは、手続きの細かいマナーよりも、まず休むことが最優先です。やることは次の3つだけです。
- 上司または人事に、休職の手続きと診断書の提出先・提出方法を確認する
- 診断書を封筒に入れて郵送する
- あとはしっかり休む
「診断書だけを郵送するのはマナー違反」と書かれている情報も見かけますが、そこまで気にしなくて大丈夫です。休職の直前は、何も手につかず無気力になっている時間が長くなりがちです。そのうえで社会人としてのマナーまで求められると、さらに自分を追い込んでしまいます。休職の手続きに必要な診断書を会社へ郵送する、それだけで十分です。
復職・転職・退職をどうするかは、体調が戻ってから落ち着いて考えれば間に合います。今はまず、悩みすぎないことを優先してください。
参考にした一次情報
(いずれも2026年9月に内容を確認しています。料金・制度は改定されることがあるため、手続きの前に各公式ページで最新情報をご確認ください。)
この記事の筆者について
新卒でSIer(金融系)にSEとして入社し、社会人2年目に適応障害で半年弱休職。休職中に転職し、その後Web系企業を経て、現在は外資系コンサルのITコンサルタント。転職は2回経験。「休職 × 転職」の実体験をもとに発信しています。
更新履歴
- 2021-08-11 公開
- 2026-09-04 郵送方法・封筒・送付手段・添え状の解説を追加。一次情報(日本郵便・総務省)を追記。傷病名・休職期間・肩書きの表記を修正。
- 2026-09-04 実体験の詳細・画像・「休職後の3つの選択肢」の解説を補強。傷病手当金の一次情報(協会けんぽ)を追記。
